眠れ“る”夜の一言

近頃では眠れぬ夜というのは、なくなったように思います。

 

普段なら、夜9時には部屋の電気を消し、間接照明の明かりの中で、眠るまでの数時間、まどろみを楽しんでいるのですが、まあその時間にメラトニンの放出も促されるだろうと言う魂胆を秘めて。

 

深夜2時とか、3時とか・・・ひどい時には4時になっても眠くならないなんて時は、忘れていた。

 

お昼間に4、5時間も寝たからだったと思い出すのがオチで、一人ほくそえんでは遠からず、近からずの昔を思い出し、すっかり眠りやすくなった自分を褒めている事もしばしば。

 

学生の頃は環境が良くなかったせいもあるけれど、神経がたっていて本当に毎日のように眠れぬ夜を過ごしていたように思います。

 

眠れぬ孤独はやっぱり自分自身の心を毒し、痛めつけ、追い詰められ、私はいつの間にかしらふの私ではなくなりました。

 

あの頃抱えていたのはやっぱり孤独、耐え難い孤独でした。

 

耐え難い孤独を抱えてしまうと、人は飢えます。

 

飢餓状態になり、自分ではどうしようもない猛威をふるう毒蛇の中で暮らすようになります。

 

近寄ってくる他人を求め、善人面をして取り込み、雁字搦(がんじがらめ)にしてかみ殺してしまうのも、こんな寂しさを抱えた状態。